海外生活では避けて通れない?! Halal(ハラール)について

海外生活

先日、娘の友達が夕食を食べに来ました。

「もしかしたら宗教的な制限やアレルギーがあるかも…」と思って、親に連絡したところ、”She only eats Halal.”と返ってきました。

「分かった~!」と返したものの、Halalのお友達が我が家で夕食を食べるのは初めてのこと。正直、何を気にしたら良いのかさっぱり分かりませんでした。

そこで調べました、Halal(ハラール)について。

海外で生活されている皆さんは、同じような疑問をお持ちの方もいるのではないかと思うので、こちらにて共有させていただきます。

ハラールフードとは?

Halalとは、アラビア語で「許された」という意味で、イスラム教の教えに従い、許容された食品や飲料、製品を指します。以下にハラールで許可されている食品の一般的な例を示します。

  • : ハラールで許可されている肉は、特定の条件に基づいて処理された肉です。これらの条件には以下が含まれます。
    ・許可された動物種: 牛、羊、ヤギ、鶏、鴨などの特定の動物がハラールで許可されています。豚は食べられません。
    ・生け贄: 動物は特定の方法で生け贄にされ、イスラム教の儀式に則った方法で処理されます。
    ・ハラール認証: 肉製品は信頼性のあるハラール認証機関によって認定されることが一般的です。
  • : ハラールで許可されています。
  • シーフード: 天然の魚や海産物のほとんどはハラールで許可されています。ただし、宗派によっては、ウロコのない魚を食べないので、うなぎやイカ、タコ、貝類は避けたほうが無難かもしれません。また、アルコール性飲料で調理されたものはNGです。
  • 野菜と果物: 野菜と果物は通常ハラールで許可されています。ただし、宗教的な規制に違反しないように、特定の調味料や添加物に注意が必要です。
  • 穀物: 穀物(小麦、米、オート麦など)はハラールで許可されており、ほとんどの種類のパン、シリアル、パスタなどが含まれます。
  • 乳製品: 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は一般的にハラールで許可されています。ただし、豚由来の成分が含まれる製品は避ける必要があります。
  • 乾物や調味料: 一般的な調味料や乾物(塩、砂糖、スパイスなど)はハラールで許可されています。ただし、アルコール性調味料や製品は避けなければなりません。私の友人は、醤油についても、発酵の過程で生まれるアルコールを気にしていました。ちなみに日本の醤油のアルコール度は2~3%だそうですが、大量に摂取するものではないので、1回の食事で身体に入る量としてはほんのわずかです。

ハラールの食品に関する規則は、イスラム法(シャリア)に基づいています。注意が必要なのは、特定の食品や飲料がハラールかハラーム(ハラールではない=許可されていないもの)かを判断するために、宗教的なガイダンスや地域的な差異があることです。そのため、ハラール食品を提供するレストランや製品には、信頼性のあるハラール認証機関の認証が付いていることが一般的です。

ハラールの友人と出会ってからは、スーパーで売っている様々な食品を今まで以上に注意深く確認するようになりました。そうしたら、意外や意外!結構ハラール認証マークが付いている食品って、あるんですね。

ハラールの友人と食事に行くときに気を付けるべきこと

現在、世界人口のおよそ4人に1人がイスラム教徒と言われています。日本では、まだイスラム教徒の人に出会う機会は限られているかもしれませんが、海外に住んでいるとイスラム教徒の人と食事を一緒にすることもあるでしょう。

以下は、ハラールの人と食事に行く際に気をつけるべきことをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

  • レストランの選択: ハラール料理を提供するレストランを選びましょう。多くの都市にはハラールレストランやハラールメニューを提供する場所があります。もし相手も同じエリアにお住まいでしたら、相手に店選びは任せてみた方が確実かもしれません。
  • メニューの確認: レストランに到着したら、メニューを注意深くチェックし、友人が食べることができるハラールの選択肢を見つけましょう。ハラール料理は通常、肉や魚の調理法や使用された調味料に関する情報が含まれています。
  • クロスコンタミネーションの防止: ハラールの食事は、ハラール食材がハラーム(禁止された)食材と接触しないように注意が必要です。友人がクロスコンタミネーションを気にする場合、別の調理器具や調理スペースを使用するようにレストランにリクエストすることができます。
  • アルコールとハラール: イスラム教ではアルコールの摂取が禁止されています。友人がアルコール飲料を避ける場合、アルコールを提供するレストランを避け、ハラール飲料または非アルコール飲料を提供する場所を選びましょう。
  • レストランのスタッフに尋ねる: レストランのスタッフに、友人の特別な食事要件について尋ねることができます。彼らはメニューについての詳細情報や友人のニーズに応じたおすすめを提供してくれることがあります。
  • 配慮と尊重: ハラール食事に関する友人の宗教的な信念を尊重し、理解しようと努力しましょう。彼らが特定の食品を避ける理由について質問することもできます。

ハラールの友人とお出かけするとなると、色々と気を使って大変!と思われる方もいるでしょう。でも、ハラールについては、事前にちゃんと予習しておけば大丈夫!一緒に時間をともにし、会話を楽しみ、お互いの文化や宗教的な違いを尊重し合うことで、友情を深める一歩となるでしょう。

私がやらかした失敗…

上記のことをインプットしてから、今度は私たちがハラールの家族のお宅にお邪魔しました。上記の内容だと、穀物も乳製品も卵も、「ほぼほぼ」OKそうだったので、シュークリームを手土産に買っていきました。そしたら…

ハラールの友人
ハラールの友人

これって、中にクリームって入っている?

私

う、うん。もしかして何か問題がある?

ハラールの友人
ハラールの友人

「ハラール認証」が付いた材料を使っているお店?

もしそうじゃないと食べられないや…

おぉ~そうだったのね。ごめん、特に”Halal”ってうたっていないお店だから、たぶん違うかも。クリームの何がNGだった?

ハラールの友人
ハラールの友人

卵は大丈夫なんだけど、ベトナムは乳製品がハラールのものとそうでないものがあるんだよね。

…ということでした。実際にこちらのお宅で冷蔵庫を見せてもらうと、ベトナムのものではなく、タイのブランドAnchorの乳製品が保管されていました。よくよく見ると、小さくHalalマークが。

1つ前の段落で、「乳製品は一般的にハラールで許可されています」と書きましたが、日本や今私が住んでいるベトナムのような、特段、イスラム教徒の人口が多くない国ではハラール認証されていない乳製品も多いようなので、気を付けなくてはいけませんね。

「ほぼほぼ」OK、ということはつまり、OKではない例外もある、という事実を軽視していました。皆さんも、私と同じ過ちを繰り返さないよう、くれぐれもお気をつけください。

先ほどのシュークリームは、友人も破棄する以外にないので、我が家でいただくことに。でも、色々ともてなしてくれたのに、こちらからは何も手土産を渡せず、なんだか申し訳ない気持ちで帰ることになりました。

外国人のお宅に招かれたときは、もっともっと事前に相手のカルチャーについてインプットした上でお邪魔しないといけないな、と改めて考えさせられた出来事でした。

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だから「これって英語と関係ないけど、聞いてもいいかな?」ということも、遠慮なく聞いてください。私がこの仕事を海外在住者向けに提供するのは、海外生活を楽しむ日本人がもっともっと増えてほしいから。

これからも、今回のハラール話のように、私が海外生活をしている中で出会った「事前に知っておけば…」というような情報を記事にできたらと思っています。

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