1か月もしないうちに、クリスマスがやってきますね。
皆さんのお住まいの地域でも、クリスマスムードが漂っているのではないでしょうか？
今回は、この時期のオランダで大盛り上がりの「シンタクロース（オランダ語: Sinterklaas）」文化についてご紹介します。
12月6日は何の日？
調べるまで、私は知らなかったのですが、12月6日はキリスト教の司教である聖ニコラウス(英語：Saint Nicholas)の命日だそうです。この日は、ヨーロッパの多くの国でSaint Nicholas Dayまたはthe Feast of Saint Nicholasとして祝われています。
オランダでは（恐らくベルギーやルクセンブルクでも）、聖ニコラウスをモチーフにした「シンタクラース」が12月5日の前夜（イブ）に訪れ、子どもたちにプレゼントを配るのが毎年の恒例行事となっています。また、この季節限定のクッキーを食べる習慣があるようです。詳しくはこの記事の後半に書かれているシンタクロースの時期に食べられるお菓子へ。
地域によって少しずつ異なりますが、実際は12月5日、6日だけではなく、11月中旬ごろから街中では様々なパレードや催し物が行われます。シンタクロースはスペインから船でやってくるようなのですが、毎年シンタクラースが到着する街が発表され、テレビ放送も行われるくらいの一大イベントです。
多くの家庭では、聖ニコラウスの日とクリスマスの両方を祝うことが一般的で、これにより子どもたちはプレゼントをもらう機会が2回あることになります。ハロウィンも10月末にありますし、この時期は子どもたちにとって最高のシーズンと言えそうですね。
シンタクロースって、サンタクロースと違うの？
シンタクロースは、白いひげを生やし、司教のような赤と金の装いを身につけた姿で、サンタクロースとパッと見は似ていますが、よくよく見ると私たちのイメージするサンタクロースとは微妙に異なります。しかし、名前も外見も似ていることもあって、シンタクロースはサンタクロースの由来になっているのでは？という説もあるようです。
シンタクロースの相棒は、トナカイではなくムーア人（アフリカ北西部の人々を指す）のブラック・ピート（オランダ語ではZwarte Piet）。オランダ人たちは、ブラック・ピートに扮して顔を黒塗りにしたり、子どもはブラック・ピートのコスチュームを着たりして、お祭り気分を盛り上げます。ただ近年、この顔を黒塗りにするという行為が人種差別ではないか、と問題視されているようです。
シンタクロースの時期に食べられるお菓子
次に、シンタクロース文化に欠かせない美味しいお菓子をご紹介します。
①クラウドノーテン（kruidnoten）
シナモンやクローブなどのスパイスが効いたサクサク食感の一口サイズのクッキー。チョコレートコーティングされているものもあります。オランダにはクラウドノーテン専門のお店もあるくらい、オランダには欠かせないお菓子のようです。この菓子を指して、次にご紹介している「ペーパーノーテン」と呼んでいるオランダ人も多いです。
②ペーパーノーテン （pepernoten）
シナモンなどスパイスが効いた伝統的なジンジャーブレッドクッキー。オランダ人でも間違えるくらい似ているクラウドノーテンとペーパーノーテンを食べ比べた方の話によると、後者の方が少し薬っぽい独特な味で、しっとりしているそう。最近ではクラウドノーテンの方が主流で、ペーパーノーテンはなかなか手に入らないようです。
③スペキュラース （speculaas）
薄茶色の、こちらもスパイス（シナモン、ナツメグ、クローブ、生姜、カルダモンなど）入りのクッキー。日本でも売られているので、食べたことがある方もいるのではないでしょうか。風車柄、人形柄、シンタクラース柄など様々なデザインがあります。
④ターイターイ（Taaitaai）
オランダ語で taai（ターイ）とは「固い」という意味。食べたことが無いので分かりませんが、名前の通り、固いのでしょうか？こちらもシナモンが効いているクッキーです。
⑤メレンゲ菓子（schuimpjes）
砂糖とゼラチンを主な材料とするメレンゲのお菓子です。シンタクラースにちなんだ、様々な形のものが売られています。
⑥文字チョコ （chocoladeletters）
こちらは名前の通り、アルファベットの文字の形をしたチョコレート。パン生地で作られていた時代もあったそうです。フレーバーは、定番ミルクチョコレートの他、ホワイトチョコレート、ダークチョコレートなど様々。あなたなら、どのアルファベットを選びますか？
⑦マジパン（marsepein）
アーモンド粉末と砂糖を混ぜ合わせたお菓子、マジパン。シンタクラース形のほかに、「豚」の形のマジパンも定番のようです。
他にもStrooigoedと呼ばれている、上記に挙げたシンタクロースの時期の定番クッキーなどの詰め合わせ（↓）も、この時期には販売されています。
この時期になると、これらのお菓子でスーパーは溢れかえるとのこと。期間限定のお菓子がほとんどなので、もしシンタクロースの時期にオランダに滞在している場合は、ぜひトライしてみてくださいね。
最後に
ここまで、シンタクロースの由来や、サンタクロースの違い、またオランダでのシンタクロースの祝い方について触れてきましたが、いかがでしたでしょうか。
シンタクロースの到来は、冷たいオランダの冬の日々を暖かい笑顔と共に包み込み、家族や友達と共に楽しいひとときを作り出しています。オランダのシンタクロース文化は、クリスマスの前に訪れる幸せな冬の先駆けとして、心温まる瞬間を提供してくれていますね。シンタクロースがスペインに戻るまであと数日。オランダにお住まいの皆さん、ぜひこの時期を満喫してください。
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